2007年 10月 18日
梅雨の晴れ間の6月の始めに、江ノ島、藤沢へ。 こうちゃんが赤ん坊の頃から始まって、何度も連れてきてもらった思い出深い場所のひとつだ。 私達の住んでいた静岡県東部からは、東名高速に乗って秦野か、平塚で降り 市街地を抜け、どこかノスタルジックな、たんぼと飲食店が共存する風景を進んでゆき つきあたりに、突如、という感じで現れる海と空の拡がり! に辿り着く、その瞬間がいつも好きだった。 こうちゃんとパパと私の暮らしの中で、一つ一つ増えていった、私達の<お気に入りの場所> 青山のとあるチャイニーズレストラン、横浜、香港、 水炊きの美味しかった京都...まだまだある、その中のひとつが、この江ノ島近辺だ。 久し振りの、しめった磯の風 日本の初夏の匂いを、胸いっぱい吸い込んだ。 海はいいなあ。 さざえ、蛤、帆立などが店頭に並ぶ。 店頭でイカを焼くにおい!いいねえ、これが日本! 久しく目にも口にもしていない、磯の幸。 我慢して、さかみちを散策。 蛸せんべい、有名なんだぞ、見てご覧 とパパ。 生のたこを凄い力でジューーと押しつぶして 紙のようになったタコをパリパリに焼いて、出来上がり。 何人か並んでいた。ので、後にしようか、と。 激辛と白焼きをいただき 何を見ても美味しそう、ショーケース?もなんて素敵。 魚貝ラーメンをどこかでいただいたなあ、塩味の。 こうちゃんは、昔のように<どこにでもある、みやげもの>を物色。 おもちゃです(笑) かくいう私も、むかーしからある、あの<貝殻詰め合わせ>や 貝殻で作った、お人形のペンダント、なつかしいおままごとセット みたいな、ものに夢中だった。 父が、私が4年生の時に買ってくれたパンダ顔の貝殻の笛。 (御前崎で、だけど) 一緒に、枕に並べて寝ていた、あの笛を思い出した。 何処に行ってしまったのか。たしかにあったのに、記憶だけが宝ものとなる。 人通りの多い、メインからのびていた横道 降りてきて、<ツブ貝の串焼き>をいただきました。 パパとこうちゃんは、この後のメインにそなえて、我慢。 メインとは シーフード、テラス席、海に面した場所 これらは私の好み(!)なのだけど、いつも無条件にそれを尊重してくれる パパだった。何度きたことだろう。夏が近くなるとテラス席の開放感をもとめ 或る日、見かけた<お誕生日おめでとうのコーラス>がパパは気に入ったようで ご自分のお誕生日にここを指定した事も。 バースデイケーキと紙の王冠をかぶってポラロイド記念撮影。 3枚か4枚、実家に大切にとってある。 初夏、リニューアル前の江ノ島水族館など歩き、あそんで夕暮れを待ち お腹を空かせて、のども乾かせ、 ここのテラス席に腰を落ち着けて、夕焼けと初夏の風の中で 飲む、生ビールのなんて美味しい事。 おちびのこうちゃんを眺めてね。 うまいよなあ!と分かち合うのもたのしく、お食事の醍醐味はこれだなといつも思った。 すきなものばかり。 この日も天気に恵まれた。 活きロブスター、いつもスチーム。凄く元気に怒っていたのに 心していただきます。 レモンバターも美味しいけれど、いつもレモンのくし切りと タバスコをおねがいして、合わせたソースでいただくとまた、格別。 (家ではいつも、これに白出しかナンプラーとチリソースをたして、 かにや茹で蝦に、生春巻きにもおいしいですよ) つめの部分を別注文して。 これも定番のソフトシェルクラブ。 シュリンプカクテル、かきの磯焼き これは初めて、<セビーチェ> ここの<ガンボスープ>が大好き! クミンの香りが効いていてロングライスも香ばしさを演出。 エビやかにをいただくと、ましてビールと一緒だと 温かい、こんなスープが欲しくなる、そしてこの、スパイシーさが また、食欲を増進する!私はタバスコを5滴くらいたらして、うーん、美味しい! こうちゃんは、さらにこちらを注文。 日本の<ハンバーグ>って美味しい、本当に美味しい。 ジョシュアもフレンチフライでご機嫌。 こんな雰囲気で。 アメリカ行きに、私の方向が定まりつつあったあの頃、初めて こうちゃんをつれ、住むことを前提としてのアメリカ行き目前の春まだ浅き日。 パパの誕生日。 パパは、<RedLobsterにいこう>と言った。 いつものように、いつものおいしいお料理。写真撮影。 こうちゃんは眠そうに写っている。 いつものように、帰り道、I.Cでの休憩、コーヒー飲むか? その時の気持ちは、一生わすれない。 <これが最後なのか。まさか。> アメリカ行きは、私にとっては、パパとこうちゃんとの暮らしを去ることでは 断じてなかった。ただただ、目の前に開けている扉を、あたらしいそれを あけたいだけであって、かけがえのないものとしての 3人の世界は、むしろ今までより、強い絆として自分の中にあることを感じていた。 今思えば、そう考えていたのは私の気持ちであり、パパや家族達にとっては 寂しさの中で、見送ってくれたに違いない。 何より、幸せの充足感、充実感の只中だった、30代、 私の家族との、そして、パパとこうちゃんと3人での暮らし。 一度きりのこの命のなかで、40才目前、後10年後にはできないだろうという ことが、確かにある。進んでみよう! そう思っただけだった。逃げなければならないものなど何もなかったのだ。 <こうして、I.Cで一緒にコーヒー飲むことが、なくなるの?> 体に染み付いた、日常の一こまがなくなる予感は 私に、自分の決断の現実の一面を、まざまざと思い知らせたと思う。 そして、パパの立場での思いを。口には出さない、それを。 <何か、かけがえのない物を喪おうとしているのかもしれない> 言いようのない寂しさが襲った。 <きっと、わかってくれる> 渡米後、GC問題で出国できない状態が続いた時も 母や姉などの家族と共に、常にそばにいる感覚で、連絡を取り続けてくれたパパだった。 確信できる私達の絆、私達の形での。 なにがあろうと、信じ続けると思える、この場所に辿り着いた。 世間の常識?からはかけ離れた形ではあっても <3人の絆はずっと変わらない> 15,6年前になるかな 夕日に照らされる病院の玄関 東名バスに乗り込んだ私に手を振る、サンダル履き、寝巻き姿のパパ。 私には見慣れないその姿、笑顔 私も手を振り返し、パパが見えなくなった時、堰を切ったように涙が溢れた。 その時に、心を決めた。 お食事を終えて、道路を渡ってすぐの、浜へ行ってみた。 サーフィンをする人 犬とお散歩する人 夏の予感に華やぐ、この季節も 秋風が吹き始め、喧騒の名残をとどめる初秋の頃も 冷たい浜風の吹きすさぶ冬も どれも大好きな大切な思い出の場所。 グレーの砂、ごみが多くて磯の匂いにあふれていても 海の家のあの郷愁 日本の海の匂いをいとおしむ。 またこうして来る事ができて、よかった。 本当によかった。
by nao-mischa
| 2007-10-18 00:31
| 日本里帰り2007夏
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