サンオブニューメキシコ <アメリカ暮らし>

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2005年 08月 14日

カサブランカの日



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夏の香り。
百合の匂い。
とりわけ、カサブランカ リリー。
暑さの盛りにむせるくらいの、あの匂い。

特別だった。

夏のあどけない楽しさ
プール すいか 海水浴 自由研究
なつの友 ラジオ体操のカードの毛糸の紐

あっという間に過ぎていくたのしい日々
甲子園も終盤を迎え
夏休みももう、終わる


昼の熱気さめやらぬ夕暮れ


蜩の声がひときわ大きく響くようになってくる
 
夏の盛りと
子供心にも感じる、過ぎていく夏への郷愁
両方を感じるお盆のあたり


後、何回夏を過ごすことができるかなあ
なんて、幼い時から考えていたのを憶えている


こんなに夏が好きなのは
夏真っ盛りに生まれたから ずっとそう思ってきた


百合の匂いはそんな夏のすべて
子供の頃からずっと。





抱えるほどのカサブランカを初めて送ってもらった日。
ずっしり重く その豪華さに圧倒され
花束を贈ってもらう嬉しさって これなんだ
晴れがましくて でも
わたしを大切に思っていてくれる気持ちが
こもっているようで

そのひとには 百合への思い
大好きな花 ということを話していた
覚えていてくれたのだ

部屋中にあふれる 百合の匂い
幸せな思いで眠った





それから、誕生日にはいつもカサブランカの花束
何度送ってもらったのだろう

熱のような感情が
いつしか 穏やかなものへ
形を変えていっても

毎年、欠かさず贈ってくれた 心こもった
一言と一緒に
それは ずっと変わらなかった

時を共にしてきたという事実
二人の歴史、共有してきた人生のある一時期
そこで得たかけがえのない もの
分かち合えるということ
それがもたらした信頼と尊敬も 

安らかな温かい日々も変わることなくずっと



渡米目前の8月14日
いつものように息子Kちゃんと3人のお食事
近所の 気軽な品数豊富な
落ち着くチャイニーズレストラン

ちょっと と席を外した ふたり
程なく戻ってきたKちゃんの手 いっぱいの
カサブランカの花束

驚いた 
今年はもうないと思っていたから

そして

あの 笑顔がゆれてこちらを見ていた
子供の様な うそのなさにあふれた

これだった
この笑顔に惹かれた たすけられてきたどんな時も


辛い決断を強いてしまったのに

経緯がぐるぐる回った
出逢い
東名バス 手を振る姿 ひとりになって夕陽の車窓に
涙を拭きながら心に誓った決心
15年の、共に在った日々



なにがあっても 3人の絆は永遠
その言葉を彼からも聞いた時


と、確信できる
そんな場所に辿り着いたのだ
愛には色んな形があるだろう ひとそれぞれに
私にはこれだった
ここが辿り着いた場所
ささやかな、けれど自分の中では確固とした思いが
胸にあふれた

この絆あってこその新しい世界への一歩だった



これも忘れられない
私の夏
百合の匂いの特別な思い出





2005年 きょうも暑い 8月14日

いつも行くこの地のスーパーでは
カサブランカは見つからなかった

白いゆりの入った花束を買った
だいすきなダンジネスクラブと檸檬
戸袋のガラスの花瓶をとりだし、活けてみた



閉じていた蕾が開き始めた今
微かな香りが
キッチンにただよい始めている


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そして
誕生日のあと、すぐに
8月15日。
終戦記念日。
  これも特別なこととして、ずっとある。

夏への思い。
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by nao-mischa | 2005-08-14 21:13 | 昭和 過去への郷愁


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